《線香花火的美学》
水面に映る緑と笹舟と満月
満丸い満月と一夜にして飲み込んだ湖
午前に咲き誇るホテイアオイ
湖一面咲き誇る
今とばかり
河川敷から見える打ち上げ花火と
四人構成の家族の線香花火
どちらの花火が綺麗だろう
花火にも美学ってもんがあるんだろう
線香花火は懸命に輝く誰かのように
短い導線摘む僕の右手
小さな幸せを感じて
鈴虫の声とともに酔いしれる
富豪を打ち上げ花火とたとえるなら
線香花火は僕らにあたるんだろ
でもどちらの花火も魅力があって
一夏の夜だけに咲き誇る
多々ある価値観の違いに自分を見失なっても
花火のような自分の美学があればいいだろう
大切な人の傍であがった花火と
四人構成の家族の懸命な灯り